日本人は性倫理がないのか——最大のカルチャーショック

先週の「ホンネの殿堂」で見た「夫の下心ためし」のようなコーナーの話だけど、ある芸能人がわなにひっかかって、浮気する気満々でした。紳助が「結婚しているから、こういうことはしてあかん」と知らないかと問い詰めたら、その芸能人は、「だって、松嶋菜々子に似ているよ。松嶋菜々子だよ」とちっとも罪悪感も羞恥感もない顔で連発していました。しかも、隣の席の奥さんを指して、「こっちはもちろん大事にしますよ」と弁論していた。もっと不思議なのは、その浮気映像を見て、上記の会話を聞いて、怒るどころか、ずっとにこにこしていて、誘う女に「うちの旦那、申し訳ない」とまで謝る奥さん。スタジオから、奥さんに対して、「偉いですね」という声も上がりました。

もう憤りが!この日本語を勉強し始めてから、今でも消えない最大のカルチャーショック、つい爆発してしまいました。日本社会はやはり最低限の性倫理がないのでしょうか。

日本語で検索したら、性倫理、性道徳のキーワードでは殆どヒットしません。本とかを見てみたら、日本人は、性を人格、道徳、家庭、婚姻などから切り離して考えているようです。性が肉体上の生理現象しか考えていない意味からすると、動物とあまり変わらないかもしれません。倫理は人と人の関係を規範化することで、だから倫理になっていないか。倫理がないから、不倫をしてしまいます。不倫とは、人の道から外れた行為と意味しています。

やっぱり家庭や妻を失いたくないから、不倫を止めたのは、倫理ではなく、単に現実的な利益で理性の判断です。大体、「こっちもこっちで大事にしているから」、「家庭さえ壊さなければ別にいいじゃん」のような腹立つ発言が自然に出てしまいますし。人間が自分の本能や衝動をコントロールする力は、主に宗教、道徳と社会風習から来ていると言われます。「古事記」に既にいざなぎ、いざなみの二神のセックスが赤裸々に描かれています。豊穣儀礼には、宗教的な売春があったぐらい、性を聖なるものとみなされます。そういう原始的な段階では、ほかの地域もある現象だと思われますが、『源氏物語』、『好色一代男』、『失楽園』などの文学作品や、史書の記録で描かれた社会様相を見てわかるように、いくら時代を下っていても、不倫を制約する倫理が形成されていないようです。むしろ、おおらかなセックスや売春が認められています。それも、今の風俗業の繁栄につながっているでしょうか。「姦淫するなかれ!」。これは儒教倫理の基本だし、佛教、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教では禁止行為と戒律の中で定められていて、地獄へ導く大きな罪となっていますが、日本社会にはどれも浸透できていないとしか思えません。ちょっと残酷ですが、イスラム教の社会では、今でも不倫の犯罪者に投石処刑が科されるそうです。ほかの社会は、そういった宗教倫理があるから、不倫行為が少ないという意味ではありません。これをやってはいけないという究極的な裁判官がいるから、社会に規制されたり、罪悪感や羞恥心を持って、本能と格闘したり、反省したりしている人間社会の秩序があるわけです。「不倫が文化だ」と宣言したり、不倫してもされてもしょうがないと気軽に流したりする日本人と質的な差があると思います。

社会風習からみても、現代の家庭教育、学校教育、法律、マスコミ、どれも不倫行為を甘やかしているように見えます。一番身近な奥さんでも、愛のない風俗なら許すとか、肉体関係がなければいいとか、わからないようにしてくれるならいいとか、不平を言わずに自分を抑えがちな人が多くて、理解不可能です。不倫女も、悪いことをしているという自覚が薄くて、ただ舞い上がっているのが多いのではないでしょうか。

貞節の義務とは、他の人とはセックスしないことのではなくて、他の人と性関係の成就を求めないことです。犯罪記録はないから、疑われるのが根拠ないという男の言い分は甘えすぎのではないかと思います。

色々考えてきて、理解しようとはしましたが、この社会のこういう考え、文化はあまり賛成できません。自分の価値観と違うのもそうですが、そういう考え、生活スタイルで、社会全員が幸福?より不幸そうなのだからです。下記、デュレクス社による性生活幸福度世界調査結果も参考になるでしょう。
http://www.insightnow.jp/article/4309
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=36189
また、子育てへの影響、熟年離婚、少子化問題などもこれと無縁とは言い切れないでしょう。

This entry was posted on 金曜日, 8月 27th, 2010 at 7:47 AM and is filed under Cross Culture, Feel Japan. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can leave a response, or trackback from your own site.

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